心停止における心拍再開後ケア

心停止における心拍再開後ケア

  • 定価 4,620円(税込)
  • 監修:日本循環器学会蘇生教育小委員会・蘇生科学小委員会
  • 編集:野々木 宏(静岡県立総合病院)
  • 編集:長尾 建(駿河台日本大学病院)
  • B5・178ページ・並製
  • 発行年月:2013年03月
  • ISBN 978-4-89269-801-9
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

ガイドライン2010にて心拍再開後の集中治療の重要性が強調されましたが、実際にいつ・何を・どのように行えばよいかといった具体例は示されていません。
本書は心拍再開後の集中治療(心拍再開後ケア)を最新のエビデンスに基づいて具体的にまとめた実用的な書籍です。

(1) なぜ心拍再開後のケアが重要か

(2) 心停止後症候群の治療

心肺脳蘇生(cardiopulmonary cerebral resuscitation:CPCR)/PCASの治療/包括的なPCAS の治療戦略

(3) 院外から救急室までの連携と補助循環

1)心停止例における自動式心マッサージ器のエビデンスと展望
manual CPR の問題点/manual CPR とLoad-Distributing Band CPR における冠灌流圧/ASPIRE Trial とCIRC Trial/LUCASTM/当施設における自動式心マッサージ器の使用経験/わが国における大規模臨床研究

2)PCPS(ECPR)の活用
適応基準/PCPS 回路・送脱血用カテーテル/カニュレーション準備/カニュレーション/大腿動静脈血管確保/送脱血用カテーテル挿入/PCPS とIABP の併用/肺動脈カテーテル挿入/再灌流療法の併用/低体温療法の併用,PCPS 管理方法,合併症対策,PCPS ウィーニング方法/治療効果/今後の課題

(4) 低体温導入方法:開始時期と方法,冷却生理食塩液使用の実際

体温測定部位/開始時期(判断)/冷却方法/冷却輸液/プロトコル(例)

(5) 低体温維持方法

1)低体温療法における冷却維持方法:J-PULSE-Hypoから
低体温療法を実施するために求められる技術的ポイント/手動調節による体表面式低体温療法/連続式自動温度制御機能を備えた体表冷却装置による低体温療法/低体温維持中の注意点/注目される技術,製品/J-PULSE-Hypo

2)PCPS による冷却方法
成人に対する冷却方法,管理方法,合併症対策(PCPS による冷却方法/PCPS 管理方法/PCPS 合併症対策/PCPS ウィーニング方法)
成人に対する小児用PCPS を用いた冷却方法(低体温療法の適応について/低体温療法の導入方法について/PCAS に対する体外循環を用いた低体温療法の実際)

3)KTEK-III
低体温療法の導入/低体温療法の維持/復温/合併症/今後の展望

4)カテーテルによる冷却
血管内冷却とは?/わが国における血管内冷却に関する臨床研究/血管内冷却システム使用の実際/血管内冷却の有害事象

(6) 復温の方法について

動物実験モデルによる復温速度検討/欧米臨床研究での復温速度検討/低体温療法に関する多施設共同登録研究J- PULSE-Hypo での検討/復温時の体温管理の実際

(7) 鎮静薬の使用方法について

集中治療室での管理/低体温における薬物動態/低体温療法中に鎮静の目的に使用する薬物/その他:モニタリング温度測定について

(8) 注意すべき合併症について

低体温における生理学的変化/主な合併症とその対策/低体温療法の合併症に関する臨床研究

(9) 低体温,補助循環,PCI の統合

ACS を原因とする心原性心停止/ACS に対するカテーテル治療/心原性心停止患者に対する緊急CAGおよびPCI の適応ならびに低体温療法との併用/ACS を原因とする心停止心拍再開後患者へのmust approach

(10) 非心原性心停止への低体温療法

非心原性心停止症例の転帰が不良な理由/低体温療法の適応/非心原性心停止の転帰/偶発性低体温症に対する低体温療法/肺が原因の心停止に対する低体温療法/妊婦に対する低体温療法の適応/薬物中毒による心停止心拍再開後の低体温療法/縊頸による心停止心拍再開後に対する低体温療法/溺水による心停止心拍再開後に対する低体温療法/外傷による心停止心拍再開後の低体温療法/非心原性心停止症例の低体温療法の実際

(11) 小児に対する低体温療法

小児における心停止/小児心停止に対する低体温療法の現状/小児心停止に対する低体温療法の実際

(12) 新生児に対する低体温療法

新生児HIE に対する低体温療法の適応基準/適応基準に関する科学的根拠/冷却方法/復温時間

(13) 脳機能評価方法

1) 院外心停止における脳神経学的予後予測
心肺蘇生から心肺脳蘇生へ/無侵襲脳局所酸素飽和度(rSO2)の測定原理/筆者がヒントを得た心臓血管外科・麻酔領域のrSO2論文/rSO2の蘇生領域への応用~単施設研究~/全国多施設共同研究:J-POP registry

2)脳機能評価方法と予後判定
神経学的所見(脳幹反射,意識レベル,ミオクローヌス)/神経電気生理学的検査/画像診断/生化学マーカー/今後の課題

(14) 測定パラメータ

来院時採血データと神経学的転帰/J-PULSE-Hypo registry の来院時採血データと神経学的転帰/来院時採血データから神経学的予後を予想できるか/心拍再開後の患者ケア中に考慮すべき測定パラメータ

(15) 心拍再開後ケアに用いられる機器と臨床工学技士の関与

体温維持装置の種類/機器の保守管理/その他の医療機器と集学的管理/臨床工学技士の関与とチーム医療

(16) 標準化とトレーニングについて

アルゴリズム(案)の作成/トレーニングプログラミングの作成

(17) 蘇生科学の試験計画の立案方法から論文作成まで

試験計画の立案/研究計画書を書く/データマネジメントと統計解析/試験結果の報告/事例:J-PULSE-Hypo 研究
付録

PCPS施行中の冠動脈造影とPCIアプローチ(PCPS送血用回路穿刺法)

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