代表取締役挨拶

新雑誌『在宅新療』の創刊と弊社の次の40年

 

弊社は昨年2月創業40周年を迎えることができました。ひとえに皆様方のご支援の賜物と感謝申し上げます。さて,弊社が次の40年を見据えて,どのような事業を展開するかについて触れておきたいと思います。

まず,株式会社へるす出版事業部との合併をお知らせいたします。同社はこれまで救急医学関連学会の学会事務局業務や機関誌編集業務を受託し,その支援を通じて学会の発展に寄与してまいりました。同時に出版活動も行ってきましたため「へるす出版」との業務の線引きが明確でなく,このさい整理した方がよいと判断したためです。

21世紀を迎えたわが国は,医療界には「標準化」「チーム医療」「地域包括ケア」などの言葉がキーワードとして登場してきました。そのキーワードから見えてくるものに取り組むことは当然のことです。その第一歩として“0歳から100歳までの在宅医療と地域連携を考える専門雑誌”を謳い『在宅新療』を創刊いたしました。弊社が長年にわたり培ってきた信頼感に基づく先生方・学会との密接な連携をベースに,迅速的確で企画力溢れるコンテンツの提供を目指します。

 

次に医療従事者教育への関与について触れたいと思います。

専門職としての知識や技能の向上は,現場での実践を重ねることによって養われます。どのような職種であれ適用される原則です。しかし,診療の対象となる疾病は多様で,一人の医療者が同一疾病の症例を経験することはまれです。ましてやあらゆる疾病を経験することはできません。一方,医師をはじめとする医療関係職種が行う処置などの医療関連行為の習得は,現場で先輩や教官の指導のもとで行われています。しかし,昨今の社会現象として,医療に対する不信,個人の権利意識による医療者への協力姿勢の希薄化などにより,実地修練(on-the-job training; OJT)が困難を極めている状況にあります。

こうした背景もあり,近年の医療界ではこれを補完する教育手段として,職場を離れて行われるoff-the-job trainingが重要な役割を担ってきています。これには研修会や講習会などの座学,ケーススタディ,ロールプレイング,シミュレーション教育などがあり,これらをバランス良く取り入れた学習方法がoff-the-job trainingとして効果的であるといわれ,これらの要素を兼ね備えた教育法が普及しています。

日頃経験することが少ない疾病,高度な処置や重要な意思決定が求められる治療やケアの修練のためには,臨床現場をそのまま再現したような環境を揃え,実物の器機を設置し,実例にそったシナリオで判断力や技能の習得を図る方法の有用性は疑うべくもありません。弊社はへるす出版事業部が業務委託されてきた学会の講習会の支援を通じて獲得したノウハウを活用した講習会事業にも力を注いでいきたいと考えています。

最後に,専門出版社のもうひとつの大きな役割であろうと弊社が考える“採算性に乏しいが必要な出版物”を手がけるためにも「体力」をつけ,雑誌・書籍の出版活動を通じて「医療従事者を元気づけ,その結果として国民が健康不安のない生活を送ることができる」手助けとなることを念頭に次の10年に向けて社員一丸となって邁進して参ります。

 

2016年3月

代表取締役社長 佐藤 枢

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