看護科学のパラダイム転換

看護科学のパラダイム転換

質的研究はいつ、なぜ登場したのか?

  • 定価 4,400円(税込)
  • 著:野島 良子
  • A5・272ページ・並製
  • 発行年月:2009年06月
  • ISBN 978-4-89269-672-5
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

本書は、永年に亘って「看護の根本問題」について深く考え続けてきた著者がまとめあげた知的刺激に満ちた一冊です。本書を紐解くことによって、「日本ではなぜ看護理論開発への動きがなかったのか?」「なぜ米国の理論の移入だけに終わったのか?」などの疑問にも言及しています。「質的研究」か「量的研究」かといった二者択一的な議論にも一石を投じ、看護研究の確かな方向性を示しました。看護理論が開発された時代背景も含めて考察された看護の学説史であり、看護の根本問題を探求した理論書です。

第一章 揺籃期の看護科学-1952~1967

1952年/専門職としてのアイデンティティ危機(クライシス)/看護理論の構築/看護研究の最初の十年/外から押し寄せてくる新しい知識の波/自立への志向

第二章 研究の自然史的段階と演繹的理論構成の段階のはざまで-1968~1979

新たな問い-「看護科学」とは何か?/関心を外へ向け始めた看護科学者たち/マーサ・ロジャーズのユニタリー・ヒューマン・ビーイング/パターソンとズデラドの体験を生きる人間/消費者運動のうねりのなかで/続けられる看護理論の構築/研究の自然史的段階と演繹的理論構成の段階のはざまで/70年代後半-女性科学者であることについて/われわれは自分の研究の目標を自分で決定できる

第三章 崖っぷちに立つグランド理論-1980~1989

グランド理論への懐疑/なぜ、この時期にグランド理論批判が?/看護科学者の社会化過程/1983年-ある暗い嵐の夜のこと/新しい世代の理論家の登場/看護研究の曲がり角/科学的理論に潜む性差別/看護研究は成熟してきた、もはや借用する段階ではない

第四章 新しいパラダイムを求めて-1990~2001

今や、われわれは実践の基礎になる科学的基盤をもっている/看護科学者としての自我の確立/ビジネス化されたヘルスケア文化のなかで/われわれは新しいパラダイムを必要としている/グランド理論の人間像と、その背景/ 「大きな人間像」に不足していたもの/混合研究方法(ミックスドメソッド)の可能性/ポストモダンの看護

第五章 看護科学者たちの社会文化体験(Cultural experiences)とパラダイムの転換

グランド理論の意義/看護科学のパラダイム転換の契機/最初のシグナル/新しいパラダイムの方向

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