一般病棟における 緩和ケアマニュアル 【売り切れ】

一般病棟における 緩和ケアマニュアル 【売り切れ】

  • 定価 4,180円(税込)
  • 編集:小川 道雄(熊本労災病院医院長)
  • A5・250ページ・並製
  • 発行年月:2005年07月
  • ISBN 978-4-89269-498-1
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

癌の緩和ケアに関心が集まっている。わが国では国民の3人に1人が癌で亡くなっているのだから,当然であろう。日本癌治療学会でも最近,緩和医療が会員の専門分類の一つになった。このように緩和医療が独立してその専門化が進んでいるとはいえ,まだ90%以上の癌患者は一般病棟(在宅を含む)で看取られていると報告されている。
一般病棟に入院している患者に対して,われわれは「治癒」を目指す。そのための教育を受けてきた。しかしそこに入院した癌末期の患者には治癒はない。従って同一病棟でまったく異なったケアが現在のところ必要となる。

このような現状から,医療チームの一員として緩和ケアが直面している医師,看護師,薬剤師,栄養士などのうち緩和ケアを専門としない医療関係者を対象とした緩和ケアマニュアルがあったら,きわめて有用ではないか,とかねてより考えていた。そこで本書を企画するにあたって,読者として,数多くの終末期患者のケアにあたっているにもかかわらず,これまで十分に緩和ケアの教育を受ける機会のなかった非専門家からなる緩和ケアチームを想定した。そして執筆をお願いした方々には,読者が主として緩和ケアの非専門家からなる緩和ケアチームであり,通常の多忙な業務のかたわら緩和ケアを行っていることを理解して,できるだけ簡潔に,表や図を多用してまとめていただくようにお願いした。
本書が一般病棟における癌の緩和ケアのための最新の手引き書として,緩和ケアチームに広く活用していただけたら,編者の望外の喜びである。

「序文」より

I 一般病棟における緩和ケア
1. なぜ緩和ケアの多くが一般病棟で行われているのか/小川 道雄

2. 末期癌患者の臨床経過と緩和ケア/恒藤  暁
ホスピス入院時の主訴/転移部位と転帰/主要な身体症状/日常生活動作の障害/精神症状/急変/死因/予後関連因子

3. インフォームド・コンセント/池永 昌之
インフォームド・コンセントとは/悪い知らせを伝えるときの手順/生命予後の説明/告知を拒む家族への対応

4. 一般病棟スタッフに対する緩和ケア教育/原   敬
一般病棟における援助の特徴と緩和ケア/苦しみとは何か,対人援助とは何か/関係性のちからによるケアという援助/結果でなくプロセスが大切(援助者への援助)

5. 在宅ホスピスケアに必要なこと/蘆野 吉和
在宅ホスピスケアとは/在宅ホスピスケアを可能とする要件/在宅ホスピスケアへの移行の準備

 

II いろいろな症状に対する緩和ケア
1. 全身倦怠感の緩和ケア/末永 和之・他
倦怠感の定義/メカニズム/治療/栄養状態の改善/生活支援

2. 疼痛の緩和ケア
1) 癌疼痛のアセスメント/平賀 一陽
癌患者の痛みの原因/疼痛のアセスメント/治療効果の評価/痛みを増減する因子
2) 疼痛治療の基本方針/後明 郁男
痛みの緩和ケアの基本/痛みの評価と適切な治療の重要性/チ-ム医療の重要性/痛みを訴える癌患者とどう接するか
3) 非オピオイド使用の実際/大地 哲史
NSAIDsの種類と特徴/非オピオイド鎮痛薬の処方の組み立て/使用方法と注意
4) 弱オピオイド使用の実際/村川 和重
癌疼痛治療における弱オピオイドの役割/弱オピオイドとして用いられる鎮痛薬/第2段階でのオピオイドの使用の実際
5) オピオイド使用の実際/片柳 憲雄
オピオイド使用に関する誤解・偏見/各オピオイドの特徴/オピオイドの投与法
6) フェンタニル貼付剤使用の実際/野口 隆之・他
フェンタニル(fentanyl)とは/フェンタニル貼付薬の利点と欠点/一般病棟でのTFPの適応/TFPとタイトレーション/投与量調節/TFP使用時のレスキュー処方/オピオイドローテーション
7) オピオイドローテーションの考え方/加藤 佳子・他
オピオイド鎮痛薬/モルヒネの役割/オピオイドローテーションの位置づけ/オピオイドローテーションの実行/患者のQOLを高めるために
8) 鎮痛補助薬の使用の実際/林  章敏
鎮痛補助薬とは/鎮痛補助薬を必要とする疼痛/鎮痛補助薬の種類/鎮痛補助薬の使用の実際
9) 鎮痛薬の副作用対策/下山 直人・他
一般病棟での緩和ケア(オピオイドの副作用対策)/オピオイド鎮痛薬の副作用の頻度とその機序/副作用対策のコツとポイント/薬物療法とオピオイドローテーション/オピオイドの投与経路変更による副作用対策
10) モルヒネ抵抗性の疼痛の治療/小川 節郎
オピオイド抵抗性の痛みとは/オピオイド抵抗性疼痛に用いられる薬物・方法とその適応/薬物療法/神経障害性疼痛に対する鎮痛薬ラダー/放射線療法/神経ブロック療法/その他の方法/薬理学的疼痛機序判別試験(drug challenge test;DCT)
11) ビスフォスフォネート使用の実際/中野 正吾・他
骨転移のメカニズム/骨転移の診断のタイミング/進行再発乳癌における骨転移治療の位置づけ/ビスフォスフォネートの作用機序/投与の実際;ASCO(American Society of Clinical Oncology)ガイドラインより

3. 消化器症状の緩和ケア
1) 嘔気・嘔吐/太田惠一朗
病態生理/原因/診断/治療
2) 緩和ケアにおけるしゃっくり/岡  義雄
原因と分類/治療
3) 食思不振/内藤美由紀・他
アセスメントとケア
4) 便秘・下痢/江上  寛
便秘/下痢
5) 腸管閉塞/堀  泰祐
診断/治療方針
6) 黄 疸/丸田 福門・他
緩和医療症例における黄疸/黄疸の原因/閉塞性黄疸/肝性黄疸/黄疸に対する緩和医療
7) 腹 水/広田 昌彦・他
癌性腹水の病態/癌性腹水の治療

4. 呼吸器症状の緩和ケア
1) 呼吸困難/花桐 武志・他
原因疾患および病態の診断/呼吸困難に対する緩和治療
2) 咳 嗽/山口 哲朗
咳嗽の発現機構/咳嗽の原因/治療
3) 胸 水/白日 高歩
胸水貯留がみられる疾患,病態/胸水貯留の診断/緩和ケアとしての胸水排除

5. その他の症状の緩和ケア
1) 精神症状/清水  研・他
うつ病,適応障害/せん妄
2) 高カルシウム血症/柴田 岳三
疫学/発生機序/臨床症状/検査/治療の考え方/治療
3) 褥 瘡/立花 隆夫
褥瘡の難治化要因/癌患者の特殊性と褥瘡治療の基本方針/緩和ケアを配慮した褥瘡治療

 

III 特殊な緩和ケア
1. 緩和ケアとしての化学療法/渡辺健太郎
palliative chemotherapyの現状/コンセンサスの得られているpalliative chemotherapy

2. 緩和ケアとしての放射線療法/有村  健
緩和照射とは?/骨転移に対する緩和照射/転移性脳腫瘍に対する緩和照射

3. 緩和手術/小川 道雄
緩和手術としての姑息的切除手術/姑息的切除手術の術式選択/緩和手術としての対症的手術

4. 神経ブロック/宮崎 東洋
癌性疼痛に対する神経ブロックの意義/代表的な神経ブロック

5. 大内臓神経切離術/島田 信也
内臓性知覚求心性ニューロンの走行/大内臓神経遮断術とその適応/大内臓神経切離術の実際/大内臓神経切離術の有用性/予防的大内臓神経切離術

 

IV 精神的ケア
1. スピリチュアルペイン/西村 幸祐
スピリチュアルペインとは何か/スピリチュアルペインのアセスメント/スピリチュアルペインに対するケア

2. 患者に対する心理的・社会的サポート/東口 高志・他
終末期癌患者の心理/心理的サポート/社会的サポート

3. 家族のケア/川村 亮機
家族ケアのポイント/家族への支援

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