外科学臨床講義

外科学臨床講義

考える臨床医であるために知っておきたい外科学の最近の進歩

  • 定価 21,359円(税込)
  • 著:小川 道雄
  • B5・530ページ・上製 函入
  • 発行年月:1995年10月
  • ISBN 978-4-89269-232-1
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

サイトカイン,癌遺伝子,ミスマッチ修復遺伝子,接着分子,SIRS,多段階発癌機構,転移の分子機構,genetic instabilityなど,今日の医科学の進歩をわかりやすく,ていねいに解説.創意と発見,明晰な指摘に満ちた本書は,小川外科学の精華ともいうべき必読の好書である.

1 近代外科の歴史
講議の始めと終わりには挨拶をする/近代外科の歴史のなかで重要なことが3つある/無痛法の開発/接触感染の概念の発見/防腐法の提唱/これらが外科医に要求される性格を根底から変えた
侵襲
2 侵襲に対する生体反応とサイトカイン
これまで認められてきた生体反応/サイトカインの概念/侵襲と血中のサイトカインの変動/局所におけるサイトカインの産生/生体反応としてのサイトカイン・ネットワーク/「サイトカインの大量放出は細胞のあげる悲鳴である」

3 Systemic Inflammatory Response Syndrome(SIRS):重症患者の選別と治療のための新しい概念
侵襲後の多臓器不全(MOF)/不全臓器にみられる好中球の集積/侵襲の情報を伝達するサイトカイン/サイトカインによって惹き起こされる生体防御反応/プライミングという好中球の活性化/Second attackによる臓器障害の発生/Second attack theoryを証明するための動物実験/Second attack theoryは腫瘍学の真似ではない/合併症の末期像としての多臓器不全(MOF)/SIRSという概念と提唱された背景/SIRSは高サイトカイン血症である/SIRSをfirst attackの結果と位置づける/SIRS患者をみたらどうするか/SIRSの評価にはSIRSの持続時間も重要である/SIRSは重症になるかもしれないというwarning sign(警告信号)である/なぜsecondを重視するのか
4 Less invasive surgeryとしての腹腔鏡下胆嚢摘出術
腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応/腹腔鏡下胆嚢摘出術の偶発症/術後経過からみた腹腔鏡下胆嚢摘出術/侵襲に対する生体反応/生体反応を惹起するための細胞間相互作用/サイトカインによる生体防御反応/手術侵襲と血中IL-6の変動/Less invasive surgeryとしての腹腔鏡下胆嚢摘出術/侵襲後の臓器障害の発生に関するsecond attack theory/新しいことを勉強し,常に努力する人であってほしい
5 重症膵炎の治療
膵臓の機能と急性膵炎の特徴/膵臓の自己消化/急性膵炎の症状と診断/重症膵炎にみられる多臓器障害(MOF)/重症膵炎の重症度/重症膵炎の治療
腫瘍
6 異時性多重癌:Genetic instabilityは遺伝子変異を細胞内に蓄積する
遺伝的な大腸癌/遺伝性非ポリーポーシス大腸癌(HNPCC)/遺伝子の病気としての癌/癌遺伝子と癌ウイルス/癌抑制遺伝子と癌ウイルス/遺伝子複製のエラーとその修復/ミスマッチ修復遺伝子とreplication error/Genetic instabilityとその検出法/外科医はなぜ癌遺伝子の研究に熱心なのか
7 サイトカイン産生腫瘍と腫瘍随伴症候群
生理活性物質産生腫瘍/サイトカインとは/腫瘍組織におけるサイトカインの産生と腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症と白血球増多を伴う悪性腫瘍/腫瘍はなぜサイトカインを産生するか
8 変わってきた癌治療
悪性腫瘍による死亡は毎年直線的に増加している/予後のよい癌と悪い癌がはっきり分かれてきた/癌の進行度に応じて治療方法が選択されるようになった/手術不能であった癌が併用療法によって可能になってきた/強力な化学療法に伴う副作用を軽減することが可能となった/癌を告知することが必要になってきた/これからも癌治療を変えていかなければならない
9 癌の外科的治療:歴史と今後の展望
治療成績が着実に向上しているのに癌死は増え続けている/癌の外科的治療はどのように変遷してきたか/現在の癌に対する外科的治療は二極化している/外科的治療には限界がある/超進行癌の治療をどうするか/癌の姑息的切除は生体反応を惹起し,残存癌細胞を増殖させる/姑息手術のなかには「緩和手術」と呼ぶべき手術がある/癌の手術は個別化しなければならない/外科的治療の成績を向上させているのは何か/今後の手術療法はどうなるか/反省することから向上が始まる
10 胸部食道癌診療の現状と課題
食道癌の治療成績/胸部食道癌の治療方法の変遷/食道の早期癌と表在癌/食道表在癌のリンパ節転移と内視鏡切除の可能な症例/食道癌の内視鏡的治療/早期食道癌をどのようにして発見するか/頭頚部癌患者における高率の食道癌発生
11 スキルス胃癌の診断と治療
胃癌の疫学/「スキルス胃癌」の定義/「スキルス胃癌」の特徴/「スキルス胃癌」の発生と進展/「スキルス胃癌」の初期像を見逃さないために/「スキルス胃癌」の治療
12 大腸のポリープと癌:癌の分子遺伝学入門
大腸ポリープ/家族性大腸ポリポーシス/癌の分子遺伝学/家族性大腸ポリポーシスの原因遺伝子/癌治療の将来
13 ウイルス肝炎と肝細胞癌:肝細胞癌の発生・治療・予防
肝細胞癌の疫学/肝炎ウイルスと肝細胞癌の発生/肝細胞癌の特徴/肝細胞癌の治療/肝細胞癌の早期発見と予防
14 転移性肝癌:なぜ特定の臓器に血行性転移が起こりやすいか
癌はどのような経路で肝臓へ転移するか/転移性肝癌の発生状況/血行性転移が成立するための条件/接着分子は「触診のための手」である/なぜ特定の臓器に血行性転移が起こりやすいか/転移しやすい癌細胞には,どのような性質があるか/異時性肝転移の早期発見のために/転移性肝癌の治療/転移性肝癌の治療成績/まとめと今後の展望
15 膵癌の予後を向上させるために
膵癌の疫学/膵癌の治療成績/早期膵癌をどのように発見するか/進行膵癌の治療/膵癌治療の今後の方向
16 膵癌と急性膵炎:膵分泌性トリプシン・インヒビター(PSTI)のかかわり
膵癌治療の現況/膵癌はなぜ最難治性か/急性膵炎は消化酵素による膵臓の自己消化によって発生する/なぜ消化管の中だけで消化酵素が働くのか/急性膵炎の診断と重症度判定は難しい/膵分泌性トリプシン・インヒビター(PSTI)の働き/血中のPSTIは血中の膵酵素とは別の変動をする/血中PSTIは急性相反応物質である/癌細胞もPSTIを産生する/PSTIには従来知られていない作用がある/膵癌の治療成績を向上させるには
17 乳癌の手術
乳癌手術法の歴史的変遷/Prospective randomized study/わが国の現状/教室の乳癌治療方針とInformed consent
18 触知不能乳癌
触知不能乳癌とは/触知不能乳癌の発見機会/Nipple dischargeからどのようにして乳癌を診断するか/非浸潤癌の手術/どのような微小石灰化像から乳癌を疑うか/Paget病とPagetoid癌の手術/乳腺に原発巣が見い出せない乳癌(occult breast cancer)をどうとらえるか
ケア
19 たとえ世界が明日終わりであっても,今日私はリンゴの樹を植える;癌のターミナル・ケア
増え続ける癌死/避けられなくなった癌の告知/癌告知の目的と条件/告知後の心理過程とケア/癌のターミナル・ケア/末期癌の痛みの原因/Freedom from cancer pain by the year 2000

関連書籍

  • 臨床侵襲学 【売り切れ】
  • 新 癌についての質問に答える【売り切れ】
  • 担当医としてこのように答えたい がん患者・家族からの質問
  • 外科学臨床講義Ⅴ
  • 外科学臨床講義Ⅳ 最終講義

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