実践的でわかりやすい記述で，
弾性ストッキングの正しい知識が身につく!
“静脈圧迫処置”についての新章を追加!!

【本書の概要】
本書は，日本静脈学会弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会の公式テキストであると同時に，圧迫療法の基本と応用を系統的に網羅し，日本の圧迫療法の標準を示した教科書です。

2020年4月から慢性静脈不全に対する静脈圧迫処置が診療報酬として算定できるようになりました。それにともない講習会も内容を充実させ「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会」と改称，テキストも「慢性静脈不全に対する静脈圧迫処置」の章を追加した増補版となりました。

第1章　圧迫療法の役割

1 弾性ストッキング，弾性スリーブの歴史
2 圧迫療法の種類と役割
3 弾性ストッキング・コンダクター

第2章　静脈疾患を知ろう

1 静脈還流障害の起こるわけ（閉塞と逆流）
2 下肢静脈瘤の臨床
3 深部静脈血栓症がなぜ起こるのか
4 静脈血栓後症候群とは
5 肺血栓塞栓症
6 先天性の脈管異常などを知る

Topics 1 超音波診断の進歩とバスキュラーラボ
Topics 2 下肢静脈瘤治療の進歩：血管内焼灼術と硬化療法
Topics 3 新しい経口抗凝固薬
Topics 4 静脈血栓塞栓症の新しいガイドラインについて
Topics 5 慢性血栓塞栓性肺高血圧症（CTEPH）とは？

第3章　リンパ浮腫を知ろう

1 むくみのメカニズム
2 リンパ浮腫の発生
3 リンパ浮腫の特徴
4 リンパ浮腫の予防と治療

Topics 6 用手的リンパドレナージ
Topics 7 リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術

第4章　圧迫療法を理解する

1 弾性ストッキングと弾性スリーブの種類と選び方
2 弾性ストッキング・スリーブへの不満とその解消法
3 弾性ストッキング・弾性スリーブの正しい使用法～合併症に気をつけよう～
4 弾性包帯
5 間欠的空気圧迫法（IPC）

第5章　圧迫療法の具体的応用法

1 下肢静脈瘤の治療方法と圧迫療法
2 深部静脈血栓症の予防・治療と圧迫療法
3 リンパ浮腫の治療と圧迫療法

Topics 11 災害時における弾性ストッキング

第6章　慢性静脈不全症による静脈性下肢潰瘍

1 病態
2 症侯
3 診断
4 圧迫療法と共に行う治療法
5 圧迫療法
6 末梢動脈疾患を合併した静脈性下肢潰瘍（混合性潰瘍）
7 再発予防
8 治療方法のまとめ

第7章　患者さんからの苦情，質問に答える

1 一般的な質問
2 深部静脈血栓症予防についての質問
3 リンパ浮腫治療についての質問

第8章　日本静脈学会 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成委員会

1 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成委員会より
2 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター認定制度
3 平井圧迫療法賞について

第9章　各種製品の特徴

参考資料
索引

弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

　弾性ストッキングは静脈疾患・リンパ疾患の予防・治療に必須で、日常診療に広く応用されています。しかし、正しく使わないとその目的を達することができないばかりか合併症もおこりえます。また、患者さんからは「硬くてはきにくい」「すぐにずり落ちてくる」などの苦情も聞かれ、はけないままになってしまう患者さんも少なくありません。
　弾性ストッキングの正しい使用法を熟知し、患者さんの苦情や質問に答えられる医療従事者を養成する目的で、2002年の第23回日本静脈学会総会において弾性ストッキング・コンダクター養成委員会が組織されました。それと同時に講習会を受講し、一定の条件を満たした方に「弾性ストッキング・コンダクター」の認定を開始しました。
　2020年４月には静脈性潰瘍に対する圧迫療法を含む“静脈圧迫処置”が保険収載され，同時に，弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター制度が発展的に開始となりました。

弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター認定制度