改訂第4版 外傷初期診療ガイドラインJATEC

改訂第4版 外傷初期診療ガイドラインJATEC絶版

  • 定価 15,400円(税込)
  • 監修:日本外傷学会
  • 監修:日本救急医学会
  • 編集:日本外傷学会外傷初期診療ガイドライン改訂第4版編集委員会
  • 4版・A4・340ページ・並製
  • 発行年月:2012年11月
  • ISBN 978-4-89269-783-8
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

【新版のお知らせ】
この商品には新版があります。新版についてはこちらをご覧ください。


本書は、外傷初期診療の標準化を目指した研修コースJATECのテキストとして作成しました。改訂第3版を踏まえ、記載内容を再検討し、新しい知見を盛り込んだほか、DVDのかわりに、インターネットを用いたe-ラーニングを実装しました。
コースの受講には本書の熟読・e-ラーニングの実施が義務付けられています。

第1章 初期診療総論

【初期診療理論】

I 患者観察の原則

II 生命維持と蘇生

III 初期診療手順の構成

IV 外傷診療におけるチームワーク

【初期診療の実際】

I 患者受け入れの準備

II Primary survey と蘇生
初療室収容後の対応/A:気道評価・確保と頸椎保護/B:呼吸評価と致命的な胸部外傷の処置/C:循環評価および蘇生と止血/D:生命を脅かす中枢神経障害の評価/E:脱衣と体温管理/モニター,検査および処置/Primary survey と蘇生のまとめ

III 転院の判断または医師の応援要請

IV Secondary survey
「切迫するD」に対する頭部CT 検査の優先/病歴の聴取/身体の診察/検 査/感染予防/見落としチェック/穿通性外傷におけるsecondary survey についての補足事項/Secondary survey のまとめ

V 根本治療
A・B:呼吸の安定化/C:循環の安定化/D:頭蓋内圧の制御/E:体温の制御/ I :虚血の短縮と再灌流障害の軽減/ I :炎症・感染の制御

VI Tertiary survey

VII  根本治療のための転院の判断または医師の応援要請

第2章 外傷と気道・呼吸

I 呼吸生理学と外傷時の病態

II 気道・呼吸の観察
Primary survey での「第一印象」/Primary survey での詳細な気道の評価/Primary survey での詳細な呼吸の評価

III 酸素投与

IV 気道の確保
簡便法による気道の確保/確実な気道確保/声門上器具による気道確保/確実な気道確保のアルゴリズム

V 換気法
バッグバルブマスク換気法/気管挿管・輪状甲状靱帯切開後の換気法/輪状甲状靱帯穿刺後の換気法

第3章 外傷と循環

I ショックの定義と病態
出血性ショック/非出血性ショック

II ショックの認知
ショックの早期認知のための観察項目/出血性ショックの重症度/ショックの臨床症状を修飾する因子

III ショックへの対応
外出血の止血/輸液療法/ショックの原因検索と処置/循環の安定化に必要なその他の処置/循環管理のモニター

参考(1):循環の生理学
参考(2):蘇生目的の手術を行う場合

第4章 外傷と意識障害

I 外傷による意識障害の原因

II 意識障害患者の評価
GCS による判定/瞳孔所見/片麻痺/Cushing 現象/「切迫するD」の判断/「切迫するD」への対応/GCS の限界

III 鑑別診断の進め方と対応
気道・呼吸・循環に関して/GCS 合計点について/ECS:Emergency Coma Scale

第5章 胸部外傷

I 疫 学

II 解 剖
胸 壁

III 病 態

IV 初期診療
Primary survey と蘇生/Secondary survey

参考:蘇生的開胸術(RT,ERT)

第6章 腹部外傷

I 疫 学

II 解 剖
腹部の体表解剖/内部解剖

III 受傷機転と臓器損傷
鈍的外傷/穿通性外傷/爆 傷

IV 緊急度と重症度

V 初期診療
Primary survey と蘇生/Secondary survey

VI 治療方針
開腹術の適応/Damage control surgery(DCS)/非手術療法(NOM)

第7章 骨盤外傷

I 疫 学

II 解 剖
骨盤の機能解剖とバイオメカニクス/骨盤周囲の血管・神経/骨盤内臓器

III 分 類
安定型骨盤骨折/不安定型骨盤骨折/寛骨臼骨折

IV 病 態

V 初期診療
Primary survey と蘇生/Secondary survey/根本治療

V 骨盤開放骨折

第8章 頭部外傷

I 疫 学

II 解 剖

III 病 態
一次性脳損傷と二次性脳損傷/Coup injury とcontre-coup injury/Talk & deteriorate/小児/高齢者

IV 分 類
頭蓋骨骨折/局所性脳損傷/びまん性脳損傷/外傷性頭蓋内血管損傷/穿通性脳損傷/外傷性てんかん

V 初期診療におけるD
Primary survey における頭部外傷の評価/Secondary survey における頭部外傷の評価

VI 初期治療の実際
重症頭部外傷の管理/中等症頭部外傷の管理/軽症頭部外傷の管理

VII 被虐待児症候群(battered child syndrome)

第9章 顔面・頸部外傷

I 顔面外傷
解 剖/病 態/Primary survey と蘇生/Secondary survey

II 頸部外傷
解 剖/病 態/Primary survey と蘇生/Secondary survey/創傷処置と治療方針

参考:眼外傷
眼外傷における用語/眼科的診察/処置と治療

第10章 脊椎・脊髄外傷

I 解 剖
脊 椎/脊 髄

II 疫 学

III 分 類
脊椎外傷/脊髄外傷/内頸・椎骨動脈損傷

IV 初期診療
Primary survey と蘇生/Secondary survey

V 治療指針
ステロイド(メチルプレドニゾロン)/整形外科的専門治療

VI 脊椎の保護

VII 頸椎固定解除基準
正確な所見をとれるか否か

参考:意識障害患者における頸椎固定解除の問題点

第11章 四肢外傷

I 解 剖

II 病 態

III 初期診療
Primary survey と蘇生/Secondary survey における四肢外傷の診断/注意すべき四肢外傷/Tertiary survey

IV 処置の手技
整 復/副子による外固定

V 注意すべき合併症
脂肪塞栓症候群/筋区画症候群(Compartment syndrome)/圧挫症候群(Crush syndrome)

VI 多発外傷に合併した長管骨骨折の治療戦略

第12章 小児外傷

I 解剖学的特徴と生理学的特徴
解剖学的特徴/生理学的特徴

II 初期診療
Primary survey と蘇生/Secondary survey

第13章 高齢者外傷

I 高齢者外傷の特殊性
加齢による変化/基礎疾患や投薬による影響/受傷原因

II 初期診療
病院前救護/Primary survey と蘇生/Secondary survey/Tertiary survey

III 部位別にみた特殊性
胸部外傷/腹部外傷/頭部外傷/骨・軟部組織損傷

IV 治療限界

第14章 妊婦外傷

I 妊娠期間の区分

II 解 剖
妊娠初期/妊娠中期/妊娠末期

III 生 理
妊娠初期/妊娠中期/妊娠末期

IV 母体の受傷機転と胎児の予後
妊娠初期/妊娠中期/妊娠末期

V 妊婦に特有な病態
胎児母体間出血(fetomaternal hemorrhage)/子宮破裂/胎盤剥離

VI Primary survey と蘇生
気道確保と頸椎保護(A)/呼吸と換気(B)/循環と出血抑制(C)/中枢神経系の評価(D)/体表観察と体温(E)/胎児の評価(F:Fetal assessment)/転送の判断(F:Forward transfer)

VII Secondary survey

VIII 胎児に関する留意点

IX 根本治療

X シートベルトの重要性

XI 放射線
妊娠初期/妊娠中期以降

XII 薬 剤

XIII 家庭内暴力

コラム:母体の心肺機能停止時の緊急帝王切開

第15章 受傷機転

I 緊急度・重症度評価の指標

II 損傷の発生メカニズム
外力の作用部位に生じる損傷/外力の作用部位以外に生じる損傷

III 外傷の分類

IV 受傷機転からみた損傷の特徴
交通事故/墜 落/刺 創/銃 創/杙 創/爆 傷/挟圧外傷

IV 受傷要因となる内因性疾患

第16章 複数患者への対応

I 複数外傷患者対応の考え方
平時の外傷患者対応との違い/災害医療の3Ts

II トリアージ
トリアージとは/優先順位の区分/トリアージの判定基準

III 災害時の治療
災害現場での治療/災害時医療機関での治療

第17章 病院前救護

I わが国の病院前救護体制とメディカルコントロール

II 病院前救護にかかわる組織/要員
自治体消防/ドクターカー・ドクターヘリ/海上保安庁,警察,防衛省・自衛隊

III 外傷病院前救護ガイドラインとJPTECTMコース
JPTECTMで強調されている概念/観察/処置の手順(JATEC との共通性と相違性)/緊急度・重症度の評価と医療機関選定(オーバートリアージの容認)/医療機関への連絡

第18章 画像検査

I X線検査
Primary survey における評価/Secondary survey における評価

II 超音波検査
FAST/超音波検査

III CT 検査
CT の適応/CT 撮影時の注意点/CT の撮影方法/画像の構成と読影の基本/外傷CT の効率的な読影

IV MRI 検査
外傷診療とMRI 検査

Appendix 1:外傷初期診療における感染症対策

I 外傷初期診療における抗菌薬の使用法
抗菌薬の予防的投与と治療的投与/頭部外傷に対する予防的抗菌薬投与/胸腔ドレナージを必要とする胸部外傷に対する予防的抗菌薬投与/腹部外傷に対する予防的抗菌薬投与/開放骨折に対する予防的抗菌薬投与/予防的抗菌薬投与に関するまとめ

II 破傷風予防
破傷風とは/破傷風の疫学/破傷風予防の要点

Appendix 2:鎮痛・鎮静薬の使用について

I 胸部外傷の疼痛管理

Appendix 3:診療に必要な解剖学

I 外科的気道確保に必要な解剖
頸部の筋と筋膜,血管,神経/輪状甲状靱帯切開のための解剖

II 診断と処置に必要な胸部の解剖
胸腔穿刺・ドレナージに必要な胸郭・胸腔の解剖/心タンポナーデと心膜の解剖/心嚢穿刺に必要な解剖/胸部X 線読影に必要な解剖

III 診断と処置に必要な腹部の解剖
腹膜,腹腔および後腹膜の解剖/腹部X 線単純撮影と解剖

IV 脊椎・脊髄外傷と解剖
脊 椎/脊 髄/脊椎・脊髄の血管

V 骨盤外傷と解剖
骨と靱帯/骨盤腔の血管

VI 頭部・顔面外傷と解剖
頭蓋の骨の解剖/顔面骨の解剖/脳ヘルニアと解剖

Appendix 4:外傷診療録

Appendix 5:外傷疫学

I わが国における外傷の実態
死亡者数/外傷患者数/救急医療と外傷患者

II 外傷と疾病負担

III 外傷登録からみた外傷診療の実態

Appendix 6:外傷の重症度評価

I 重症度評価の意義

II 重症度評価の指標
生理学的指標/解剖学的指標/生理学的指標と解剖学的指標を統合した指標

III 今後の展望

Appendix 7:日本におけるTrauma registry─日本外傷データバンク(JTDB)

I Trauma registry および日本外傷データバンクとは

II TRISS 法

III AIS コーディング

IV JTDB の今後

Appendix 8:JATECコース概要

I JATEC コースの目的

II JATEC コースの運営

III JATEC コースの構成

IV JATEC コースにおけるトレーニング法の特徴
成人学習理論にもとづくoff-the-job training/シミュレーターによるトレーニング

V Off-the-job training コースにより期待できる外傷診療の質の向上

VI JATEC コースインストラクター取得までの流れ

Appendix 9:外傷診療と法的知識

I 診療の法的根拠
緊急事務管理/診療の義務/患者の承諾

II 医師の届出義務
異状死体の届出/虐待患者の届出/麻薬患者の届出

III 守秘義務

IV 証拠の保管と警察への情報や資料の提供
記録と写真/着衣や所持品など/血液・尿など/病状照会への対応

V 診療にかかわる書類
診療録/診断書/医療照会に対する回答文書

Appendix 10:緊急被ばく医療

I 放射線被ばくと外傷

II 緊急被ばく医療の基礎知識
放射線の種類と単位/被ばくと汚染/確定的影響(急性放射線障害)と確率的影響(発癌,奇形など)

III 汚染を伴う外傷患者の診療手順
受け入れ準備/治療・除染の準備/治療・除染

IV 一般住民への対応

V 安定ヨウ素の配布

Appendix 11:重要な用語・略語

e-ラーニング目次

●動 画
Gr1-1:喉頭鏡による直視下経口気管挿管
Gr1-2:輪状甲状靭帯穿刺
Gr1-3:輪状甲状靭帯切開
Gr1-4:ビデオ喉頭鏡を用いた気管挿管
Gr2-1:胸腔穿刺
Gr2-2:胸腔ドレナージ
Gr3:FAST
Gr4-1:IOI(骨髄内輸液)
Gr4-2:心嚢穿刺
Gr6-1:シーツラッピング
Gr6-2:骨盤固定スリング
Gr7-1:GCSの評価 E
Gr7-2:GCSの評価 V
Gr7-3:GCSの評価 M
ER

●テスト
第1章  初期診療総論
第2章  外傷と気道・呼吸
第3章  外傷と循環
第4章  外傷と意識障害
第5章  胸部外傷
第6章  腹部外傷
第7章  骨盤外傷
第8章  頭部外傷
第9章  顔面・頸部外傷
第10章 脊椎・脊髄外傷
第11章 四肢外傷
第12章 小児外傷
第13章 高齢者外傷
第14章 妊婦外傷
第15章 受傷機転
第16章 複数患者への対応
第17章 病院前救護
第18章 画像検査

関連書籍

  • 救急医学 2019年5月増刊号
  • 救急医学 2019年12月号
  • 救急医学 2018年7月号
  • 改訂第6版 救急診療指針 下巻
  • 改訂第6版 救急診療指針 上巻

書籍・雑誌検索

ページの先頭へ ▲