救急医療における精神症状評価と初期診療 PEECガイドブック

救急医療における精神症状評価と初期診療 PEECガイドブック

チーム医療の視点からの対応のために

  • 定価 2,808円(税込)
  • 監修:日本臨床救急医学会
  • 編集:日本臨床救急医学会「自殺企図者のケアに関する検討委員会」
  • B6・228ページ・並製
  • 発行年月:2012年06月
  • ISBN 978-4-89269-774-6
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

年間3万人を超える自殺者の数10倍ともいわれる自殺未遂者の多くが救急医療機関に搬送されている現状を受け、日本臨床救急医学会では、2007年に「自殺企図者のケアに関する検討委員会」を立ち上げ、テキストの作成と講習会を開催してきました。こうした活動の中で、その必要性から、アルコールや薬物依存患者、混迷状態の患者やトラブルを起こす患者への対応などにも範囲を広げ作成されたものが本書です。
本書は、救急外来や救急病棟・救命救急センターの医療スタッフ(とくに研修医と看護師)を対象に、精神科医のいない状況でも、精神科的症状を呈する患者へ、安全で患者にとっても安心な“標準的”初期診療ができるためのガイドブックであり、「PEEC(ピーク)」とよばれる同教育コースのテキストにあたります。

1 救急医療の実際

2 救急患者への精神医学的な支援

本書を使うにあたって

I章 総 論

1 救急医療における精神症状評価の必要性とその実態について
救急医療現場における精神・行動の障害/精神症状を示す患者の精神医学的評価/物質関連障害において/自殺企図・自傷患者において

2 精神症状や心理的危機を有する患者の初療アルゴリズム
初療で遭遇する精神疾患患者

3 自殺未遂患者への対応
自殺未遂患者ケアの全体の流れ/救急医療の現場での自殺未遂患者への対応のフローチャート/対応の流れ(看護師編)/対応の注意点/家族への対応/再企図予防に関する情報提供

4 自傷・他害のおそれのある患者への対応
自傷のおそれのある患者/他害のおそれのある患者

5 昏迷状態患者への対応
昏迷とは?/昏迷の分類/原因となる精神疾患とその昏迷状態の特徴/鑑別診断/救急現場での診断の進め方のポイント/とりあえずの対応法

6 アルコール・薬物依存が疑われる患者への対応
なぜ救急医療で介入する必要があるのか?/アルコール・薬物依存とはいかなる病気なのか?/アルコール・薬物依存が疑われる患者の評価ポイント/アルコール・薬物依存患者への対応

7 医療者に対してトラブルを引き起こす患者への対応
トラブルに気づく/トラブルに対処する手順/トラブル発生時の注意点/トラブルに対する具体的な対応

8 身体的治療の実際
緊急処置としての初期診療/急性薬物中毒/一酸化炭素中毒/悪性症候群

9 違法薬物摂取が疑われる患者の診療で留意すべき法的問題
覚せい剤/覚せい剤乱用者について救急医療現場での法的な取り扱いについて

10 救急医療における行動制限(抑制・拘束)
身体拘束の基本的な考え方/身体拘束によるリスク/身体拘束適応の査定/身体拘束の実施手順

11 救急患者にみられる精神症状に対する病院前救護の要点
急病にかかわる救急搬送の内訳(全国)/一般的な救急現場活動/精神科救急における救急隊員の留意事項/事 例/参考(関係法令)

12 救急患者にみられる精神症状に対する救急看護の要点
救急看護場面での精神看護/外来や病棟などでの具体的な事例をもとにした救急看護

13 救急医療におけるソーシャルワーカーの役割
救急医療におけるソーシャルワーカーの役割/精神疾患を有する患者へのソーシャルワーク介入と課題

14 救急医療における臨床心理士の役割
臨床心理士とは/救急医療における臨床心理士の役割/症 例/救急医療における臨床心理的援助の限界

II章 コース開催の概略、 カリキュラム、 必要物品、 運営のコツ

1 PEECコース開催の実際
PEEC コース開発の経緯/PEEC コースの学習目標/PEEC コースの概要

III章 ケースシナリオ

事例1 大量服薬を繰り返すパーソナリティ障害の事例、身体的な治療継続が必要だが、退院要求が強い事例

事例2 自殺企図により搬送された50代男性の事例(混乱した家族のケアが必要であった事例)

事例3 合併する統合失調症により不穏・興奮を示す事例 ICUにおいて鎮静抵抗が強く、追加の抗精神病薬投与など対策を行う必要がある事例

事例4 睡眠薬の過量服用によって搬送され,尿検査でアンフェタミンが検出された30代女性の事例

事例5 アルコール中毒の事例(大量連続飲酒を続けて、救急に入院したのちに離脱せん妄をきたすような事例)、退院後の精神科受診をかたくなに拒否している事例

事例6 意識障害との鑑別が難しい転換性障害の事例(いわゆるヒステリーの事例)─今後の精査・治療へつなぐための方略─

事例7 過換気症候群・パニック発作による頻回受診の例
1 過換気症候群について

IV章 精神科救急医療、自殺関連問題に関する話題

1 精神科救急医療体制とその課題
「精神科救急」とは/問題の本質:領域のオーバーラップケースはあまりにも多い/精神科救急の対象/精神科救急医療体制の構造(厚生労働省実施要綱より)/精神保健福祉法(とくに非自発的入院について)/連携の工夫──対応モデルについて

2 自殺企図者のケアに関する医療システム、相談窓口、社会資源
精神面の問題に関する相談窓口/精神面以外の問題に関する相談窓口/自殺予防のための相談窓口/その他活用できる社会資源

3 わが国の自殺対策・自殺未遂者対策の経緯
自殺激増の衝撃/自殺対策基本法と自殺総合対策大綱/自殺未遂者対策

4 自殺で遺された人への支援
自殺で家族を失うということ/救急医療の現場で自死遺族への支援に取り組むことの意義/自殺で遺された人への支援で留意すべきこと/【コラム】いわて自死遺族支援モデル事業

5 自殺事故に関連した医療スタッフのケア
病院内の自殺事故/医療スタッフの悲嘆/自殺の事後対応におけるスタッフ・ケアの位置づけ/取り組み事例

関連書籍

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  • 病院前救急医学

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